2015年4月30日木曜日

クレジットカードを作りたくない大学院生の海外学会への行き方





大学院生である以上、海外学会への参加は欠かせないと言っても過言ではないでしょう。海外学会での発表数がダイレクトに奨学金の返還免除や学振の取得に関わってくるぐらいです。

ただ、大学院に入って初めて海外旅行を考えたという人も少なくないはず。海外に行くことの難しさが海外学会へ行くことを妨げてしまってはいけません。そこで今回は、 海外学会に行く際に問題になってくることについて、様々な視点から取り上げていきたいと思います。

特に、大学院生にこれまであまり馴染みの無かったであろうクレジットカードの問題については少し細かくお話したいと思います。


今回扱うトピックは以下の通り。


1. 英語力は大丈夫?
2. 学会が開かれる国の事が分からないけど大丈夫?
3. クレジットカードって持ったことが無いんだけど大丈夫?
4. クレジットカードを持ちたくない場合の対処法は?



1. 英語力は大丈夫?

国際学会の共通言語は基本的には英語でしょう。とはいえ、学会の場合は事前資料を作成するでしょうし、ポスター発表程度ならそれほど苦労することは無いはずです。私も海外での発表経験が何度かありますが、論文を書くならまだしも、発表自体はそれほど英語力が問われるということはありません。

むしろ、自分の専門分野の予備知識があるので、学会中に英語に困るということもそれほど無いはずです。

ただ、おそらくそれ以上に不安に思われているであろうこととして、日常会話があります。 海外に初めて行く皆さんは自身の英語力に不安を抱いていることだろうと思います。上手く空港から市内まで行けるだろうか、ホテルの宿泊ができるだろうか、トラブルがあったらどう対応すべきかetc……。

ただ、最初に答えておくなら、全く問題はありません。むしろ、Yes, No, Thank you, Sorryと自分の名前が言えれば、海外旅行なんてへっちゃらです。

「それは極端過ぎないか?」と思われるかもしれませんが、本当です。リスニングに関しては多少能力が求められるかもしれませんが、それもせいぜい中学英語程度です。受け答えはだいたいYesかNoかで応えれば十分です。

少なくとも、大学院生レベルの英語力で海外旅行すらできないという人を見たことがありません。皆さんの日常生活を思い出してください。大学や趣味の場以外で、道端を歩いていて英語で会話することがどれほどあるでしょうか。学会中の英語力の保証はできませんが、海外旅行レベルなら全く問題ないと言えるでしょう。

2. 学会が開かれる国の事が分からないけど大丈夫?

初めての土地ということで、その国の風土も分からないでしょうし、 何より治安などを心配される方も多いかと思います。そんな方は地球の歩き方シリーズを買いましょう。海外旅行に行く方の間で根強い人気を誇る一冊で、私が所属していた研究室では、海外に行く際には絶対に一冊は購入していたという優れものです。



皆さんも、上のような外装の本を本屋さんや生協で見かけたことがあるのではないでしょうか。そのぐらいメジャーな一冊です。誇張ではなく、この一冊があるだけで海外旅行の全てが分かります。

通貨、物価、治安、旅行スポット、美味しい料理、ビザの必要性の有無etc……と、まずは この本を購入してから学会発表のスケジュールやホテルなどを決めた方が良いでしょう。現地まで持って行ってガイドブックとしても使える本なので、初めて行く土地であれば下手にネットなどで調べたりせず必ずこの本を購入してください。

おそらく、皆さんが初めて海外へ渡航するにあたって抱く、数々の疑問や不安への回答の大半はこちらにのっていることと思います。

3. クレジットカードを持ったことが無いけど大丈夫?

そして、国際学会において最も重要なのがお金の問題です。大学院生が貧乏だということもそうですが、現金ではなくクレジットカードの所有を考えるのも今回が初めてという方も少なくないでしょう。

始めに書いておくなら、学生がクレジットカードを所有すること自体は、今現在非常に簡単なことになっています。入会費・年会費永久無料の学生向けカードもたくさん出ていますし、その中でも三井住友VISAデビュープラスカードなどは保障・サービスともに手厚く、海外での利用にも便利なのでおススメです。盗難補償などもちゃんとついています。


ちなみに、クレジットカードを作る時には、「国際ブランド」 というものを選ぶことができます。初めてクレジットカードを作る人にはこの単語の意味が分からないかと思いますが、Visa, JCB, Master Card, American Expressといったものがこれにあたります。名前だけは聞いたことがあるのではないでしょうか。

小難しいことは置いておいて、利用者にとって大事なことを挙げるなら、このブランドに対応したお店でしかクレジットカードは使えないとだけ覚えておいて下さい。つまり、Visaで契約すればVisaのお店でしか使えませんし、JCBで契約すればJCBのお店でしか利用できないのです。

そのためクレジットカードは2枚持ちが基本だと言えます。とはいえ大学院生の場合は、クレジットカードを何枚持っても使い切れないと思いますし、初めてでよく分からないでしょうから、とりあえず初めての方にはVisaをおススメしています。 私がクレジットカードの販売の仕事をしていた時にも、初めての方にはVisaカードをお勧めするよう言われていました。

クレジットカードには不安も多いかもしれませんが、その分メリットも数多くあります。たとえば、利用すれば利用するほど大きなポイントがたまります。国際学会ともなれば、一回で10~30万円の金額を使用することになるので、数千円から1万円ぐらいのポイントかキャッシュバックがあるでしょう。

海外へ行って、少額の買い物をする際にお札しか持っていないと、露骨に嫌な顔をされたり、時にはお会計を断られることすらあります。基本的に、海外に行く際にはクレジットカードは必須だと思ってください。

4. クレジットカードを持ちたくない場合の対処法は?

ただ、なかにはどうしてもクレジットカードの所有が怖いという方もいらっしゃるでしょう。そういった方の場合は、デビットカードの所有をお勧めします。

デビットカードという単語を初めて聞いた方もいらっしゃるかもしれません。普通、クレジットカードは利用した月の翌月に支払額が確定し、翌々月に銀行口座から引き落としされます。そのため、お金が無い時でも限度額ギリギリまで買い物をしたりすることができます。これがクレジットカードが怖いと言われる理由です。

一方、デビットカードの場合は、指定した銀行口座に入っている分の残額分しか利用することができません。デビットカードはデビットカードに対応したお店でしか利用できませんでしたが、楽天やジャパンネット銀行のデビットカードなど、一部のデビットカードはクレジットカード代わりに利用することができるのです。

クレジットカードと同様に、VisaやJCBといった国際ブランドも指定できます。

ただ、クレジットカード代わりに利用できるとは言っても、クレジットのように銀行残高が一切ないのに買い物をするといったことはできません。あくまで銀行残高に入っている分だけです。ですので、海外で銀行残高が無くなったりすれば、クレジットカードとは違い、無一文になって動けなくなる可能性があります。

加えて、楽天デビットカードの場合は楽天の銀行口座を、ジャパンネット銀行デビットカードの場合はジャパンネット銀行の口座を持っている必要があるので、まだ持っていない方は口座開設を先にする必要があります。

このようにデビットカード特有のデメリットはありますが、一応クレジットカード代わりに使えますし、本物のクレジットほどではなくとも、利用するたびにポイントが溜まっていきます。たとえば楽天のデビットカードの場合は、利用するたびに楽天ポイントが溜まっていきます。

「クレジットカードを絶対に持ちたくない」「借金を抱えたくない」という人もいらっしゃるかもしれません。ですが、海外は日本以上にクレジットカード主義です。それに、海外学会に行くための数日分の旅費を、全て現金で持ち歩くなんてリスキーな行為は絶対にお勧めしません。

そういった方は、せめてクレジットカード代わりに使えるデビットカードの利用をお勧めします。海外では、クレジットカードとの併用や、クレジットカードを利用する前の子どもに持たせるためのカードとして利用されているぐらい便利なものですので、利用を検討してみてはいかがでしょうか。